日々の生活で漠然とした不安や悩みに襲われることはありませんか?
そんな時に役立つのが「般若心経」です
仏教の教えでは心を落ち着けて、悩みや恐れを「空」という視点で見つめ直します
本記事では、般若心経の意味を現代の言葉でわかりやすく解説することを目指しました
1.
観自在菩薩(かんじざいぼさつ)
観音菩薩は、
行深般若波羅蜜多時(ぎょうじんはんにゃはらみったじ)
深く「知恵の完成」に向かう修行をしていたときに、
照見五蘊皆空(しょうけんごうんかいくう)
全ての物事が空(本当は何もないこと)だと見抜いて
度一切苦厄(どいっさいくやく)
すべての苦しみや困難を乗り越えました
2.
舎利子(しゃりし)
シャーリプトラ(お弟子さん)
色不異空 空不異色(しきふいくう くうふいしき)
形あるものと空(本当は何もないこと)は別のものではありません
色即是空 空即是色(しきそくぜくう くうそくぜしき)
形あるものは空であり、空が形あるものなのです
受想行識 亦復如是(じゅそうぎょうしき やくぶにょぜ)
感じたり、考えたり、行動したり、意識したりすることも、同じようにすべて空なのです
3.
舎利子(しゃりし)
シャーリプトラ
是諸法空相(ぜしょほうくうそう)
この世のすべての物事は空であり
不生不滅(ふしょうふめつ)
生まれたものではなく、消えることもありません
不垢不浄(ふくふじょう)
汚れたり清らかになったりせず
不増不減(ふぞうふげん)
増えたり減ったりすることもないのです
4.
是故空中無色(ぜこくうちゅうむしき)
だから、空の中には形もなく
無受想行識(むじゅそうぎょうしき)
感じること、考えること、行動すること、意識することもありません
無眼耳鼻舌身意(むげんにびぜっしんい)
目や耳、鼻や舌、体や心もなく、
無色声香味触法(むしきしょうこうみそくほう)
それらによって感じる色や音、におい、味、触る感覚や考えもありません
無眼界(むげんかい)
目で見る範囲もなく、
乃至無意識界(ないしむいしきかい)
心で考える範囲もないのです
5.
無無明(むむみょう)
無知であることの苦しみも存在しません
亦無無明尽(やくむむみょうじん)
また、その無知の終わりもありません
乃至無老死(ないしむろうし)
老いと死もなければ
亦無老死尽(やくむろうしじん)
それが終わることもないのです
6.
無苦集滅道(むくしゅうめつどう)
苦しみや、その原因、終わり、それに至る道もなく、
無智亦無得(むちやくむとく)
知恵も得るものもありません
以無所得故(いむしょとくこ)
何も得るものがないからこそ
菩提薩埵(ぼだいさった)
菩薩(悟りを求める人)は、
依般若波羅蜜多故(えはんにゃはらみったこ)
「知恵の完成」によって
心無罣礙(しんむけいげ)
心に何の障害もなくなり
無罣礙故(むけいげこ)
心に障害が無くなれば
無有恐怖(むうくふ)
恐れることもなくなります
遠離一切顛倒夢想(おんりいっさいてんどうむそう)
すべての間違った考えや幻想から遠ざかり
究竟涅槃(くきょうねはん)
最後には涅槃(完全な安らぎ)に至るのです
7.
三世諸仏(さんぜしょぶつ)
過去、現在、未来のすべての仏たちも
依般若波羅蜜多故(えはんにゃはらみったこ)
この「知恵の完成」によって
得阿耨多羅三藐三菩提(とくあのくたらさんみゃくさんぼだい)
最も高い悟りを得ました
8.
故知般若波羅蜜多(こちはんにゃはらみった)
だからこそ、この「知恵の完成」は
是大神呪 是大明呪(ぜだいじんしゅ ぜだいみょうしゅ)
とても力強いおまじないであり、大いなる光明をもたらし、
是無上呪 是無等等呪(ぜむじょうしゅ ぜむとうどうしゅ)
この上なく優れた真言で、並ぶもののない唯一無二のものです
能除一切苦 真実不虚(のうじょいっさいく しんじつふこ)
すべての苦しみを取り除く 真実の教えなのです
9.
故説般若波羅蜜多呪 即説呪曰(こせつはんにゃはらみったしゅ そくせつしゅわつ)
そこで、この「知恵の完成」のおまじないを唱えましょう
羯諦羯諦波羅羯諦波羅僧羯諦菩提薩婆訶(ぎゃていぎゃていはらぎゃていはらそうぎゃていぼじそわか)
「行け、行け、さらに向こうへ、悟りに向かって行け!悟りが成し遂げられますように!」
般若心経(はんにゃしんぎょう)
知恵を完成するための大切な教えです
まとめ
観音菩薩は深い知恵を求めて修行し、すべての物事が本質的には何もない(空)ことを悟り、苦しみを乗り越えました
すべての形あるものは実は空であり、何も生まれず消えず、増えたり減ったりしないことを説いています
この知恵により心の障害がなくなり、恐れも消え去るとされています
過去、現在、未来の仏も、この知恵によって最高の悟りを得ました
この教えは非常に力強く、すべての苦しみを取り除く真実の教えですと主張しており
最後に「さらに悟りへ進め」という言葉で締めくくられています
般若心経は、私たちが普段感じたり、見たりするものが本当の姿ではなく、すべて「空」であることを説いています
つまり、すべてのものは変わり続け、固定した本質を持っていないため、私たちが苦しみや不安を感じる理由も実は幻想であることを伝えています
そして、すべてを「空」と理解し、執着や恐れを手放すことで、最終的に安らぎの境地に至ることができると教えています
このお経は、仏教の知恵が詰まった短い教えであり、「空」という考え方を理解することで、心の平安や悟りに近づくことができるとされています
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