第一種衛生管理者の出題範囲は非常に広範囲ですが、単元同士のつながりを意識して効率的に学習を進めましょう
労働生理の概要
- 第一問 労働衛生(有害業務を含む)
- 第二問 関係法令(有害業務を含む)
- 第三問 労働衛生(有害業務以外)
- 第四問 関係法令(有害業務以外)
- 第五問 労働生理←イマココ
- 血液・循環器系
- 呼吸器系
- 消化器系(肝臓)
- 泌尿器系
- 内分泌系
- 感覚器系
- 神経系
- 筋肉
- 代謝系
- ストレス・疲労・睡眠
この単元では泌尿器系について学びます
健康診断でも重要な項目で、よく試験に出る内容も含まれます
肝臓や血液中の成分との関係性も意識しながら学習を進めましょう
泌尿器系の役割
腎臓、輸尿管、膀胱などから構成される尿を作って排出するための器官を泌尿器と総称します
たんぱく質を分解する過程で発生したアンモニアが、肝臓で尿素に作り変えられて腎臓へ送られて尿になって体の外へ排泄します
- 不要な物質の排泄
- 代表的なものに、肝臓でアンモニアを尿素に作り変えて腎臓へ送り、尿として排泄するものがあります
- 体内の水分量や電解質の濃度(ナトリウムなど)を調節
- 水分と電解質(ナトリウム、カリウム、カルシウムなど)は、神経伝達や筋肉の収縮などに関係しています
- 細胞の浸透圧を保つことでこの機能を維持しています
腎臓
- 背中側の腰の上部に左右それぞれ1個ずつあります
- ネフロンと呼ばれる単位が約100万個集まった構造です
- ネフロンは腎小体と尿細管ひとつずつの単位構造をしています
- これらの働きによって尿の生成が行われます
- ろ過の順番と過程を覚えておきましょう
- 糸球体→ボーマン嚢→尿細管→輸尿管という順番とろ過の過程がよく出題されます
- それぞれの頭文字をとって”シボニ”と覚えました
腎小体
糸球体とボーマン嚢(のう)とで構成されます
- 糸球体
- 毛細血管が毛糸玉のように集まった構造です
- 尿素などの不要な物質を含んだ血液が運ばれてきます
- ボーマン嚢
- 袋のように糸球体を包み込んでいます
- 血液中の血球とたんぱく質以外の成分を濾し出します
尿素など体に不要な物質を含んだ血液が糸球体に運ばれ、ボーマン嚢でろ過されます
濾し出されるのは、不要な物質の他に水分、塩分などの電解質、糖分などの栄養分です
尿細管
- 腎小体で濾し出されたものを原尿と呼びます
- 尿細管で原尿の大部分の水分、電解質、栄養分が血液中へ再吸収されます
- 原尿から再吸収されなかった成分が尿として排出されます
- 尿は腎臓-腎盂-尿管-膀胱へと送られます
- 腎盂(じんう) 腎臓と尿管との接続部分のことです
- 膀胱(ぼうこう) 尿を蓄える役割をします
泌尿器系の疾患
- 尿の成分は健康状態を知るために重要です
- 健康な状態では弱酸性を示します
- 通常95%が水分、5%が固形物ですが、水分摂取量で比重が変化します
- これらの特徴から健康診断で尿検査が広く行われます
- 尿蛋白
- 通常、原尿にたんぱく質は濾し出されません
- 腎臓の機能が低下すると尿中に漏れ出してしまいます
- 検査で陽性になった場合、泌尿器系の病気が疑われます
- 尿糖
- 糖分は通常、原尿から尿細管で再吸収されます
- 尿糖が陽性の場合、高血糖や、腎性糖尿に原因が分類されます
- 高血糖 血中の糖分が再吸収できる量を超えてしまっている症状です
- 腎性糖尿 腎臓に異常が起こって糖分を再吸収できない症状です
- 尿素窒素(BUN)
- 尿素に含まれる窒素成分のことを指します
- 腎臓の機能が低下すると、数値が高くなります
まとめ
- 泌尿器は腎臓、輸尿管、膀胱などから成ります
- 代表的な役割は2つです
- 生命活動に不要になった成分を排出する働き
- 体内の水分や電解質の濃度を調整する働き
- 尿が生成される流れ
- 腎小体(糸球体→ボーマン嚢)で血液からろ過で原尿が生成されます
- 濾し出されるのは尿素などの不要物、水分、電解質、糖などの栄養分
- 尿細管で原尿から大部分の水分、電解質、糖などの栄養分が血液に再吸収され、尿になります
- 尿の生成の過程で、疾患の疑いがあると通常尿に含まれない成分が検出されます
- 尿は健康状態をよく反映するため、重要な検査項目です
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